昨日は、梅の実の俳句をご紹介しましたが、この季節、梅と違って遠目にもそれ、と分かるのは枇杷の実です。
今日ご紹介の俳句は

枝にあるをとめの足や枇杷をもぐ 橋本多佳子

枇杷というのは、昔からよく大きな家の庭に植えられたりしていて、お店で買う果物というより、木に生っているのをもいで食べるもの、という感じがします。この俳句では、乙女が果敢にも木に登って枇杷をもいでいるところです。枝にかかる足というのが、ちょっとドキッとさせますね。
作者の橋本多佳子さんは、明治32年生まれ。実業家夫人として九州の小倉で暮らしていた頃には、その住まいが文化サロンのようになっており、そこへ高浜虚子を迎えたことがきっかけとなって俳句を始め、才色兼備の誉れも高く俳壇に咲く大輪の花として活躍したということです。松本清張の「月光」もとの題を「花衣」という短編は、この多佳子さんをモデルにしたと言われています。