そろそろ、ここ足柄平野でも、田植えの時期ですね。水を張った田んぼに、まだ小さい苗が風にそよいでいる、そんな景色も見られるようになってきました。
今日、ご紹介の俳句は

早乙女や泥手にはさむ額髪 村上鬼城

季語は早乙女、田植えをする若い女性の姿です。このあたりで、実際に見たことはないのですが、早乙女というと、紺の着物を赤い襷でたくしあげ、菅笠を被って一列に植えていく、そんな光景がすぐに思い浮かびます。早乙女が田植えを行うというのは、田んぼの神様をもてなして、豊作を祈るという大切な行事です。辛い労働である米作りのスタートを、せめて目出度いハレの日として祝おうという、働く人たちの知恵だったのかもしれません。この俳句では、額にかかる汗に張り付いた髪を、泥のついた手のままで払おうとする、若い女性らしいしぐさに、健康的な美しさが感じられます。