今日は金曜日、週末は、どちらかへ出かけよう、という方もいらっしゃると思いますが、私のおススメは石垣山一夜城歴史公園。ちょうどこの時期は、シャガの花が盛りを迎えています。

掌にかこむ燐寸が濡れし著莪照らす 加藤楸邨

シャガの花って、お分かりになりますか。アヤメ科の白い花で、オレンジ色と青紫色の模様があります。明るい野原というより、林などの日陰に群生していることが多く、少し淋しげな風情を感じさせる花です。雨の中、マッチの弱々しい火の、そのかすかな明るさで、シャガの花が照らされました。湿った空気や静けさの中で、シャガの清楚な美しさが浮かび上がってきます。マッチの火が消えないように、そっと手で囲む人の、切なさも感じられます。もしかしたら、お墓参りの光景なのかもしれません。作者の加藤楸邨さんは、景色の中に、人の心の内面を詠みこもうとした俳人さんで、人間探求派と呼ばれています。