よく春眠暁を覚えず、といいますが、皆さん、今朝のお目覚めはいかがでしたか。
今週は「春のなんとか」という季語の俳句をご紹介していますが、まだ夢心地の皆さんに、こんな俳句をご紹介します。

古き古き恋人に逢う春の夢 草村素子

今日の季語は春の夢です。平家物語の「春の夜の夢の如し」ではありませんが、昔から春の夢というと、華やかだけれど、はかないものの例えのように使われていました。心地よい眠りの中で、美しいけれど、何となく淋しさも漂わす、それが春の夢という季語が持つイメージなのでしょう。
作者の草村素子さんは、角川書店の創設者角川源義が興した俳句結社『河』を創刊から編集発行人として支えた方です。ご自身もいろいろなご事情を抱えていらっしゃったようですが、昔の恋人との思い出は、ただ美しく切ないものなのでしょう。古き、古き恋人、と重ねることで、一気に源氏物語の世界まで連れて行かれそうなそんな心持にもなりました。