木にこだわる職人の技

木のアトリエ’モック’・山口健二

08年03月03日
木のアトリエ’モック’・山口健二
木のアトリエ’モック’・山口健二

平成11年夏、国道一号線沿い御幸の浜交差点近くにオープンした「おだわら木のアトリエ“モック”」。コモン初代理事長であり、小田原市内で材木店を営む山口健二を中心にアーティストたちが“アートの息づくまちづくり”をテーマに、小田原市の補助を受け立ち上げた新たな空間だ。
モックは、木彫に打ち込む若手作家たちの創作の場である。そしてまた、市民が身近に木の芸術と親しみ、触れ合える開かれたアトリエであり、小田原の木の文化を内外に発信する拠点である。そこに山口のこだわりがある。
アーティストたちは創作に励み、まち行く人は何かおもしろい作品に出会えないかとふらりと立ち寄る…。木の香りに包まれるモックは両者が交流する場でもある。「木の芸術がまちに息づき、小田原のまちの伝統に芸術が融け合ったとき、世界に誇れる新たな魅力がまちに生まれる。」山口はそう考える。様々な可能性を秘めた新たな空間に注目が集まっている。


小田原北条彫・露木孝作

08年03月03日
小田原北条彫・露木孝作
小田原北条彫・露木孝作

平成九年、小田原に新しい木のアートが誕生した。木工職人である露木孝作さんが発案し、木彫作家に試作を依頼して完成した「小田原北条彫り」。色味の違う木を重ね合わせ、上から彫刻をほどこすという、寄木細工や木象嵌の伝統技術と芸術を融合させたオリジナルアートだ。
「彫る深さによって、出てくる色が変わり、様々な表情を見せるのが魅力」と露木さんは語る。単なる彫刻にはない”木を彫る楽しさ””木の色を組み合わせる楽しさ”を味わえるこのアートはプロだけでなく一般の人々にも受け入れられ、着実にファンを増やしているという。「小田原から出発する、小田原らしいアートを作りたい」。露木さんの情熱で生まれた小田原北条彫り。「いずれは世界に」。夢は広がっていく。

小田原北条彫とは・・・・
小田原北条彫りは、小田原市城山の『クラフトえいと』社長、露木孝作氏が考案した伝統工芸である寄木細工の手法を使った、新しいアートです。
様々な種類の木を厚さ1mm~2mmの板状にし、何層にも重ねて一枚の板を作り、それに彫刻を施し、凹凸のあるレリーフを作るものです。例えば、浅く彫れば2枚目の色が出、深く彫れば4枚目の色が出る、というもので、重ねてある板の色具合によって構図を考え、彫り込んでいくもので、木の色と彫り方によって様々なバリエーションが楽しめます。
素材の木としては、ウォールナット、ホウ、ニガキ、パドック、ミズキ等、色のきれいな木を何枚か使います。

寄木細工・露木清勝

08年03月03日
寄木細工・露木清勝
寄木細工・露木清勝

箱根山系から産出される豊富な樹種。その自然な色合いや木理をいかして生みだされる寄木細工は精巧なパターンとカラーコーディネートの妙が最大の魅力だ。
露木清勝さんはその伝統を受け継ぎながらも、生活に根ざす作品づくりをめざす。「自分たちの作った物がどのような場所で売られ、どのような人たちが買ってくれるのかまで考えることが大切」露木さんは後輩の職人たちにもそう教えるという。小田原だけでなく日本クラフトデザイン協会員としても全国的に活躍する露木さんの目標は「お土産品とは違った視点でクラフト作品を開発していくこと」。種木を無垢のままろくろで挽いて形作るオブジェ風の花器など、その腕前と斬新な作風は注目を集めている。

寄木細工とは・・・・
箱根山系は、日本でも屈指の木材の樹種の多い地域です。この豊富な樹種を用い自然の色合いや、木理を生かして幾何学紋用様を表現したのが寄木細工です。江戸時代末期に箱根山中の畑宿で創始され、当初は乱寄木や、単位紋様による寄木細工が主流でしたが、明治初年に静岡方面の寄木技法がもたらされ、これが今日の連続紋様構成の小寄木として確立されたものです。その後多くの継承者によって改善、あるいは紋様が展開され、今日に至っています。国内では唯一の産地であり、また精緻な手工芸的技法は、いわゆる箱根細工の代名詞的な存在として、知名度の高い、代表的な伝統工芸技術です。
製品には箱類、引き出し、盆、皿類、茶托、小だんす、花器等の表面加飾に、また、装身具、アクセサリー等、多数あります。
一定の形状に切削した多くの木片を寄せ、単位紋様を構成するため、治具による切削寸法の正確度、接着技術に高度な熟練が要求され、このため出来上がった寄木は一つひとつが木材の精華です。
この寄木細工は、昭和59年に通産大臣指定の「伝統的工芸品」に指定されました。