妻の出産予定日が近づいた頃、当てもなく散歩していると、何げなく立ち寄った小学校の校庭の中央で一本の大きな木と出会った。
 その雄大な姿にしばし心を奪われた。同時にその木の生命力に我が子の無事誕生を願い、その後も何度か足を運んだ。
 それからしばらくして、妻は元気な男の子を出産した。
 名前を考えるときに、あの木のイメージが浮かび、太陽を浴びてすくすく伸びる樹のように成長して欲しい、大樹の下に人が集まる様に皆に慕われる人になって欲しい、そんな願いを込めて「太樹(たいき)」と命名した。
 その太樹も今では二才になり、名前の通りすくすくと育っている。
久々にあの樹に会いに行こうか。

布山 勝利

第1回木になる写真展 い木い木賞 太樹