平成九年、小田原に新しい木のアートが誕生した。木工職人である露木孝作さんが発案し、木彫作家に試作を依頼して完成した「小田原北条彫り」。色味の違う木を重ね合わせ、上から彫刻をほどこすという、寄木細工や木象嵌の伝統技術と芸術を融合させたオリジナルアートだ。
「彫る深さによって、出てくる色が変わり、様々な表情を見せるのが魅力」と露木さんは語る。単なる彫刻にはない”木を彫る楽しさ””木の色を組み合わせる楽しさ”を味わえるこのアートはプロだけでなく一般の人々にも受け入れられ、着実にファンを増やしているという。「小田原から出発する、小田原らしいアートを作りたい」。露木さんの情熱で生まれた小田原北条彫り。「いずれは世界に」。夢は広がっていく。

小田原北条彫りは、小田原市城山の『クラフトえいと』社長、露木孝作氏が考案した伝統工芸である寄木細工の手法を使った、新しいアートです。
様々な種類の木を厚さ1mm~2mmの板状にし、何層にも重ねて一枚の板を作り、それに彫刻を施し、凹凸のあるレリーフを作るものです。例えば、浅く彫れば2枚目の色が出、深く彫れば4枚目の色が出る、というもので、重ねてある板の色具合によって構図を考え、彫り込んでいくもので、木の色と彫り方によって様々なバリエーションが楽しめます。
素材の木としては、ウォールナット、ホウ、ニガキ、パドック、ミズキ等、色のきれいな木を何枚か使います。