箱根山系から産出される豊富な樹種。その自然な色合いや木理をいかして生みだされる寄木細工は精巧なパターンとカラーコーディネートの妙が最大の魅力だ。
露木清勝さんはその伝統を受け継ぎながらも、生活に根ざす作品づくりをめざす。「自分たちの作った物がどのような場所で売られ、どのような人たちが買ってくれるのかまで考えることが大切」露木さんは後輩の職人たちにもそう教えるという。小田原だけでなく日本クラフトデザイン協会員としても全国的に活躍する露木さんの目標は「お土産品とは違った視点でクラフト作品を開発していくこと」。種木を無垢のままろくろで挽いて形作るオブジェ風の花器など、その腕前と斬新な作風は注目を集めている。

寄木細工とは・・・・
箱根山系は、日本でも屈指の木材の樹種の多い地域です。この豊富な樹種を用い自然の色合いや、木理を生かして幾何学紋用様を表現したのが寄木細工です。江戸時代末期に箱根山中の畑宿で創始され、当初は乱寄木や、単位紋様による寄木細工が主流でしたが、明治初年に静岡方面の寄木技法がもたらされ、これが今日の連続紋様構成の小寄木として確立されたものです。その後多くの継承者によって改善、あるいは紋様が展開され、今日に至っています。国内では唯一の産地であり、また精緻な手工芸的技法は、いわゆる箱根細工の代名詞的な存在として、知名度の高い、代表的な伝統工芸技術です。
製品には箱類、引き出し、盆、皿類、茶托、小だんす、花器等の表面加飾に、また、装身具、アクセサリー等、多数あります。
一定の形状に切削した多くの木片を寄せ、単位紋様を構成するため、治具による切削寸法の正確度、接着技術に高度な熟練が要求され、このため出来上がった寄木は一つひとつが木材の精華です。
この寄木細工は、昭和59年に通産大臣指定の「伝統的工芸品」に指定されました。